人事・労務

結婚などで名字が変わったときの手続きを聞かれたら

2026年9月14日に内容を確認

社員からはこう聞かれます

  • 結婚して名字が変わりました。会社に何か出す必要がありますか?
  • 旧姓のまま仕事を続けてもいいですか?
  • 年金や健康保険の名前は、自分で変えに行くんですか?

ひと言でいうと

【氏名変更届の書式名】で、新しい氏名と変更日を人事に届け出てください。社会保険の手続きは会社が確認して進めます。マイナンバーカードの記載の変更は、ご自身で市区町村に届け出てください。

名字が変わった社員は、会社の書類、社会保険、税金、メールアドレスや名刺まで、どこに何を出せばいいのか見当がつかずに聞いてきます。社員に出してもらうものと、会社が進めるものを分けて伝えると、社員は自分の手続きを済ませるだけで済みます。

氏名変更で社会保険の届出が必要かの判断
マイナンバーと基礎年金番号が結びついているか
  • はい
    協会けんぽの健康保険だけに加入しているか
    • はい
      被保険者氏名変更(訂正)届を提出する
    • いいえ
      社会保険の届出は不要と伝える
  • いいえ
    被保険者氏名変更(訂正)届を提出する

出典:日本年金機構「従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)の氏名に変更があったときの手続き」

答えるときに押さえること

1社員に出してもらうのは、社内の届出とマイナンバーカードの変更です

社内では、氏名変更届などの書式で、新しい氏名と変更日を出してもらいます。戸籍謄本などの証明書を添えてもらうかは、会社のルールで決めます。

マイナンバーカードを持っている社員は、記載事項に変更があった日から14日以内に、住所地の市区町村に届け出る必要があります(マイナンバー法17条8項)。会社の手続きとは別に本人が行うものなので、社内の届出を受け付けたときにひと言添えます。

2社会保険は、マイナンバーとの結びつきで届出が要るかが変わります

日本年金機構の案内では、社員の氏名が変わっても、原則として会社の手続きは要りません。例外として届出が必要なのは、次の人です。マイナンバーと基礎年金番号が結びついていない人、協会けんぽの健康保険だけに加入している人、マイナンバーを持っていない海外居住者、短期在留外国人の4つです。協会けんぽの健康保険だけに加入している人は、マイナンバーと基礎年金番号が結びついていても届出が要ります。

届出が必要な場合は、社員から申し出を受けた会社が「被保険者氏名変更(訂正)届」を速やかに出します。資格確認書などが交付されていれば、それも添えます。基礎年金番号通知書や年金手帳の添付は要りません。外国籍の社員でマイナンバーと基礎年金番号が結びついていない場合は、「ローマ字氏名届」も一緒に出すよう、日本年金機構が協力を求めています。届出が要らない人でも、新しい氏名の資格確認書などが届いたら、古いものを社員から回収して保険者(年金事務所や協会けんぽ)へ返納します。

結びついているかどうかは、本人がマイナポータルやねんきんネットで確かめられます。健康保険組合に加入している会社は、組合の手続きを別に確かめます。

3家族の名字も変わったら、被扶養者の届出で直します

協会けんぽに加入していて、扶養に入っている家族の氏名が変わった場合は、被保険者の氏名変更届ではなく「健康保険被扶養者(異動)届」で届け出ます。家族に資格確認書などが交付されていれば、社員から会社に出してもらって添えます。

結婚をきっかけに配偶者を扶養に入れる場合は、氏名の変更とは別の手続きです。被扶養者(異動)届を、事実が発生してから5日以内に出します。社員から結婚の連絡を受けたら、配偶者を扶養に入れるかどうかも同じタイミングで聞いておきます。5日以内の期限があるので、書類がそろうのを待たずに、まず人事に連絡してもらいます。

4結婚で住所も変わる社員には、住所の手続きもまとめて案内します

結婚をきっかけに引っ越す社員からは、氏名と住所の変更を一度に聞かれます。社会保険の住所変更も、氏名と同じく、マイナンバーと基礎年金番号が結びついていない人や、健康保険だけに加入している人などを除いて、届出は要りません。住民票とは別の居所を登録する場合は、届出が必要です。

一方で、社内では住所の変更届、通勤経路と通勤手当の変更、緊急連絡先の変更が必要になります。氏名変更届と住所変更届を別々に出してもらうと、どちらかが漏れやすいので、結婚の連絡を受けたときに一覧で渡します。

5雇用保険、給与、社内の登録もまとめて直します

雇用保険の被保険者の記録にも氏名があります。届出の方法と時期は、管轄のハローワークの案内に沿って進めます。給与の計算で使う税の申告書や住民税の書類にも氏名が載っているので、給与の担当者に変更日を伝えます。

社内では、メールアドレス、名刺、社員証、給与振込口座の名義、勤怠や経費のシステムの登録名が変更の対象になります。旧姓を仕事で使い続けたいという希望もあるので、旧姓を使える範囲を決めておくと、社員ごとに答えが変わりません。

自社の規程で確認すること

会社によって答えが変わる部分です。社員に答える前に確かめてください。

  • 社内の氏名変更届の書式と提出先、証明書の添付を求めるか
  • 旧姓の使用を認めるか、認める範囲(メール、名刺、社内システム)
  • 健康保険が協会けんぽか健康保険組合か
  • メールアドレスや社員証を変える窓口と、変更までの日数
  • 給与振込口座の名義を変えたときの届出方法
  • 住所変更届と通勤経路の申請の出し方

社内FAQに貼れる回答文例

【】の部分を自社の内容に書き換えて使えます。

回答文

Q. 結婚して名字が変わりました。どんな手続きが必要ですか?

A. 【氏名変更届の書式名】に新しい氏名と変更日を書いて、【提出先】に出してください。【戸籍謄本など、添付が必要な書類】も一緒に出してください。健康保険や厚生年金の手続きは会社が確認して進めます。資格確認書を持っている場合は、【提出先】の指示に従って提出してください。マイナンバーカードを持っている場合は、変更から14日以内に、お住まいの市区町村で記載の変更をしてください。配偶者を扶養に入れたい場合や、扶養しているご家族の名字も変わった場合は、【提出先】に伝えてください。引っ越しもした場合は、【住所変更届の書式名】と通勤経路の申請も出してください。仕事での旧姓の使用は【旧姓使用のルール】です。メールアドレスや名刺の変更は【窓口】に依頼してください。

続けて聞かれやすいこと

答えるときに間違えやすいこと

  • マイナンバーと基礎年金番号が結びついていても、協会けんぽの健康保険だけに加入している社員は氏名変更届が必要です
  • 扶養している家族の氏名の変更は、被保険者の氏名変更届ではなく被扶養者(異動)届で出します
  • 新しい氏名の資格確認書などが届いたら、古いものを回収して年金事務所や協会けんぽへ返納します

出典

2026年9月14日時点で内容を確認しています。