結婚や出産、身内の不幸を会社にどう伝えるか聞かれたら

社員からはこう聞かれます
- 結婚することになったんですが、会社に何か届け出る必要がありますか?
- 祖母が亡くなりました。忌引きってどうやって取ればいいですか?
- 子どもが生まれたら、会社に何を出せばいいですか?
ひと言でいうと
まず上司に知らせてから、【届出方法】で慶弔の届けを出してもらいます。休暇の日数や祝い金、弔慰金の額は会社の規程で決まっているので、【規程の場所】を見て案内します。
結婚、出産、身内の不幸は、社員にとって大きな出来事で、会社にどう伝えればよいか迷います。不幸のときは、休みの取り方と上司への連絡を急いで知りたい状態です。慶弔休暇や祝い金が出るのか、健康保険の手続きが要るのかも一緒に聞かれます。
- はい休みの日程を確認し、他の手続きは忌引き明けに案内する
- いいえ結婚の届出か
- はい5日以内に人事へ連絡するよう伝える
- いいえ子どもの出産として、扶養の届出と出産育児一時金を案内する
- はい
出典:日本年金機構「従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き」
答えるときに押さえること
1慶弔休暇は、法律で決まった休みではない
忌引きや結婚のときの休暇は、年次有給休暇と違い、法律で会社に義務づけられた休暇ではありません。厚生労働省は、慶弔休暇を含む特別な休暇制度を、企業が任意に設ける休暇制度と説明しています。
そのため、休める日数、対象になる親族の範囲、給与が出るかどうか、いつまでに取るかは、すべて会社の就業規則で決まります。「普通は何日ですか」と聞かれても、よその会社の例ではなく自社の規程で答えます。
2身内の不幸の連絡には、休みの手配を先に返す
不幸の連絡を受けたら、手続きの説明より先に、上司に連絡したかと、いつから休むかを確かめます。社員は動揺していることが多く、長い説明は読まれません。
届出に会葬礼状などを添える会社でも、提出は忌引きが明けてからでよいと伝えます。会社から弔電や供花を出す規程がある場合は、通夜と葬儀の日時と場所、喪主の名前を聞きます。家族葬で弔意を辞退することもあるので、会社から出してよいかを必ず確かめます。
3結婚の届けは、名字と扶養の手続きにつながる
結婚の報告は、慶弔休暇や祝い金の申請だけで終わらないことがあります。名字が変わる場合は、社内の登録と給与、社会保険の氏名の変更が要ります。
配偶者を健康保険の扶養に入れる場合、協会けんぽに加入している会社では、会社が日本年金機構に「健康保険被扶養者(異動)届」を出します。提出の期限は、事実が発生してから5日以内です。社員には「名字が変わるか、配偶者を扶養に入れるかも教えてください」と聞いておくと、必要な手続きを1回で案内できます。
4子どもが生まれたら、扶養の届出と出産育児一時金を案内する
子どもが生まれたら、子を健康保険の扶養に入れる手続きが要ります。これも事実が発生してから5日以内に会社が届け出るものなので、生まれたら早めに知らせてもらいます。
出産の費用には、健康保険から出産育児一時金が出ます。協会けんぽの場合、2026年9月時点の額は1児につき50万円です。これは産科医療補償制度に加入している医療機関で、妊娠22週以降に出産したときの額で、加入していない医療機関では48.8万円です。直接支払制度を使うと、協会けんぽから医療機関に直接支払われるため、窓口で高額な費用を払わずに済みます。使えるかどうかは、出産する医療機関に聞いてもらいます。健康保険組合に加入している場合は、組合の案内を見ます。
5扶養に入っていた家族が亡くなったときの手続き
亡くなった家族が社員の健康保険の扶養に入っていた場合は、扶養から外す届出が要ります。協会けんぽでは、被扶養者が亡くなったとき、申請により被保険者である社員に埋葬料として5万円が支給されます。
葬儀の前後に社員へこうした手続きを並べて送ると、読まれないまま埋もれます。休みの連絡だけ先に受けておき、扶養から外す手続きと埋葬料の申請は、忌引きが明けてから改めて案内します。
自社の規程で確認すること
会社によって答えが変わる部分です。社員に答える前に確かめてください。
- 慶弔休暇の日数、対象になる親族の範囲、給与が出るかどうか
- 慶弔休暇を取れる期間(事由が起きてから何日以内か)と、土日を日数に含めるか
- 結婚祝い金、出産祝い金、弔慰金の額と申請方法
- 会社から弔電や供花を出すかどうかと、その手配の窓口
- 届出に添える書類(会葬礼状など)が要るか
- 加入している健康保険(協会けんぽか健康保険組合か)
社内FAQに貼れる回答文例
【】の部分を自社の内容に書き換えて使えます。
Q. 結婚、出産、身内の不幸があったとき、会社にどう伝えればいいですか?
A. まず上司に連絡してください。そのうえで、【届出方法】で慶弔の届けを出してください。
慶弔休暇の日数は【日数の一覧の場所】に載っています。休暇は【取得できる期間】の間に取ってください。祝い金や弔慰金については【金額と申請方法】を確認してください。
結婚で名字が変わる場合、配偶者を扶養に入れる場合、子どもが生まれた場合は、健康保険の手続きがあります。会社から届け出る期限が短いので、【連絡先】にできるだけ早く知らせてください。
ご家族が亡くなったときは、休みの連絡だけ先にしてください。そのほかの手続きは、落ち着いてから【担当者】が案内します。
続けて聞かれやすいこと
慶弔休暇は、土日も日数に数えますか?
会社の規程で決まります。【休日の数え方】に沿って答えます。規程に書かれていない場合は、人事・労務の担当者に確かめてから答えます。
配偶者の祖父母が亡くなった場合も、忌引きの対象ですか?
対象になる親族の範囲は会社の規程で決まっています。【対象になる親族の範囲】に沿って答えます。
出産の費用は、健康保険からいくら出ますか?
協会けんぽの場合、2026年9月時点で出産育児一時金は1児につき50万円です。産科医療補償制度に加入していない医療機関での出産は48.8万円です。健康保険組合に加入している場合は、組合の案内で額を確かめてもらいます。
答えるときに間違えやすいこと
- 慶弔休暇を法律で決まった休みと説明し、よその会社の日数を答えてしまう
- 結婚や出産の報告を受けても扶養の手続きにつなげず、5日以内の届出期限を過ぎる
- 身内の不幸の連絡に、手続きの説明を長々と返す
- 家族葬で弔意を辞退したい社員の意向を聞かずに、弔電や供花を手配する