人事・労務

在職証明書を出してほしいと言われたら

2026年9月14日に内容を確認

社員からはこう聞かれます

  • 保育園に出す在職証明書をお願いできますか?
  • 賃貸の契約で、この会社に勤めていることを証明してと言われました
  • 退職したんですが、次の会社に出す退職証明書をもらえますか?

ひと言でいうと

提出先から指定された書式があれば、それを【依頼の窓口】に送ってください。指定がなければ会社の様式で発行します。発行まで【日数】かかります。

在職証明書は、保育園の申し込みや住まいの契約、ビザの手続きなどで求められます。提出先が書式を指定していることもあるので、まず書式の有無を聞きます。退職した人からの依頼は、法律で交付が義務づけられた退職証明書にあたるので、在職証明書とは分けて扱います。

在職証明書と退職証明書、どちらで対応するか
依頼した人はすでに退職しているか
  • はい
    退職証明書として遅滞なく交付する
  • いいえ
    提出先が指定した書式があるか
    • はい
      指定された書式で発行する
    • いいえ
      会社の様式で発行する

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)「労働基準法」

答えるときに押さえること

1在職証明書は、法律で交付が義務づけられた書類ではありません

在職証明書(在籍証明書)について、会社に交付を義務づける法律の規定はありません。労働基準法22条が交付を義務づけているのは、退職した人が請求したときの退職証明書です。とはいえ、発行しないと社員の保育園や住まいの手続きが止まってしまうので、依頼があれば発行する運用にしておきます。退職した人から在籍していた期間の証明を求められた場合は、退職証明書として扱います。

会社の様式を作るときは、載せる項目を先に決めます。氏名、生年月日、入社日、所属、雇用形態、在籍していることが基本です。あわせて、発行日、会社名と代表者名または部署名、社印を押すかも決めます。依頼から発行までの日数も決めておくと、急ぎの依頼にも答えられます。

2依頼を受けたら、目的と提出先と期限を最初に聞きます

「在職証明書をください」という依頼だけでは、何を作ればよいか決まりません。最初に、何の手続きに使うか、提出先はどこか、提出先が書式を指定しているか、いつまでに必要か、何部要るか、紙とPDFのどちらで受け取りたいかを聞きます。

提出先の書式に、会社で把握していない項目(年収の見込みや、今後の異動の予定など)が含まれていることもあります。書ける範囲を確かめ、書けない欄があれば社員に伝えて、提出先と相談してもらいます。同じ質問を毎回しないで済むよう、依頼用のフォームに項目を並べておきます。PDFで渡す場合は、提出先が紙の原本を求めていないかも社員に確かめてもらいます。

3保育園の就労証明書は、国が示した標準的な様式で書きます

保育所などの利用の申し込みで求められる就労証明書は、こども家庭庁が標準的な様式を示しています。2024年9月30日に子ども・子育て支援法施行規則が改正され、この標準的な様式を原則として使うことが法令で定められました。様式の最新版は2026年8月5日に更新され、こども家庭庁のページでExcel形式が公開されています。

様式は申し込み先の自治体の案内に従うので、社員には自治体から受け取った様式を送ってもらいます。勤務時間や就労日数など、勤怠や人事の記録を見ないと書けない欄があります。申し込みの締め切りから逆算して、早めに依頼してもらいます。

4退職した人から頼まれたら、退職証明書として扱います

退職した人が証明書を請求したら、会社は遅滞なく交付しなければなりません(労働基準法22条1項)。証明の対象は、使用期間、業務の種類、その事業での地位、賃金、退職の事由(解雇の場合はその理由を含む)です。証明書には、本人が請求していない事項を書いてはいけません。再就職を妨げる目的で、第三者と示し合わせて秘密の記号を書き入れることも禁じられています。

解雇を予告された社員が、退職日までの間に解雇の理由の証明書を請求した場合も、遅滞なく交付します。この請求の時効は2年です(同法115条)。交付の義務に違反すると30万円以下の罰金の対象です。失業給付の手続きでハローワークに出す離職票は雇用保険の書類で、退職証明書とは別物です。

5電話での在籍確認には、本人に確かめてから答えます

金融機関や不動産会社から、電話で「そちらに在籍していますか」と聞かれることがあります。電話の相手が本当にその会社の人か、社員本人が確認を頼んでいるのかは、電話だけではわかりません。

本人から事前に連絡を受けている場合だけ答え、連絡がなければ折り返しにして本人に確かめます。メールで在籍確認を求められた場合も同じです。この手順を決めて、代表電話やメールの窓口を受け持つ人にも伝えておきます。

自社の規程で確認すること

会社によって答えが変わる部分です。社員に答える前に確かめてください。

  • 在職証明書の様式、載せる項目、社印を押すか
  • 依頼の窓口、依頼に使うフォーム、発行までの日数
  • 英文の在職証明書を発行するか
  • 退職した人からの証明書の依頼の受け方と送り方
  • 電話やメールでの在籍確認に答えるときの手順

社内FAQに貼れる回答文例

【】の部分を自社の内容に書き換えて使えます。

回答文

Q. 在職証明書を発行してもらうには、どうすればいいですか?

A. 【依頼の窓口】に、使う目的、提出先、必要な部数、提出の期限、受け取り方法(紙かPDFか)を伝えてください。提出先から書式を指定されている場合は、その書式を一緒に送ってください。指定がなければ会社の様式で発行します。発行まで【日数】かかります。保育園の申し込みで使う就労証明書は、お住まいの自治体の様式で作るので、自治体から受け取った様式を送ってください。退職した人の退職証明書は【退職者用の窓口】で受け付けます。

続けて聞かれやすいこと

答えるときに間違えやすいこと

  • 退職証明書に、本人が請求していない退職の事由を書かないようにします
  • 在職証明書は法律上の義務ではありませんが、退職証明書は請求があれば遅滞なく交付する義務があります
  • 保育園の手続きでは自治体が就労証明書の様式を指定しているので、会社の在職証明書を出す前に様式を確かめます

出典

2026年9月14日時点で内容を確認しています。