社用車を使いたいと言われたら

社員からはこう聞かれます
- 来週の外回りで社用車を使いたいんですが、どうすればいいですか?
- 直行で客先に行く日のアルコールチェックは、どうすればいいですか?
- 自分の車で客先に行ってもいいですか?
ひと言でいうと
【予約方法】で車を予約し、業務の前と後に【確認担当者】のアルコールチェックを受けてもらいます。鍵は【鍵の受け渡し場所】で受け取ってもらいます。
社用車の問い合わせは、予約の方法と鍵の受け取り方を聞くものが中心です。2023年12月からアルコール検知器を使った酒気帯びの確認が義務になり、直行直帰の日にどう確認するかもよく聞かれます。
- 1社員社用車を予約する
- 2社員鍵を受け取る
- 3会社業務開始前にアルコールチェックを行う
- 4社員運転し、運転日誌を記入する
- 5会社業務終了後にアルコールチェックを行う
- 6社員車を返却する
出典:警察庁「安全運転管理者制度の概要」
答えるときに押さえること
1予約から返却までの流れを順番に書いておく
社用車は、予約、鍵の受け取り、運転前の確認、運転日誌の記入、返却という流れで使います。社員が迷うのは、鍵がどこにあるか、給油をどうするか、返すときにどこに停めるかです。
社内FAQには、この流れを順番に書き、車ごとの駐車場所や給油カードの有無も載せます。運転してよい人の条件を決めている会社では、免許の種類や社内の運転許可を、予約の前に確かめられるようにしておきます。
2アルコールチェックは、道路交通法にもとづく会社の義務
乗車定員11人以上の車を1台以上、またはそれ以外の車を5台以上使う事業所は、安全運転管理者を選ぶ義務があります。二輪車は1台を0.5台として数えます。安全運転管理者は、運転しようとする人と運転を終えた人について、目視などで確かめるほか、アルコール検知器を使って酒気帯びの有無を確認します。検知器による確認は、2023年12月1日から義務になっています。
確認した内容は記録し、1年間保存します。記録するのは、確認者と運転者の氏名、車の登録番号、確認の日時と方法、酒気帯びの有無、指示した事項などです。
3確認は運転のたびでなくてよい。直行直帰にも方法がある
警察庁のQ&Aによると、酒気帯びの確認は運転の直前や直後に毎回行う必要はありません。運転を含む業務の開始前や出勤時、業務の終了後や退勤時に行えば足ります。
直行直帰などで対面の確認ができない日は、社員に携帯型のアルコール検知器を持たせる方法が示されています。カメラやモニターで顔色や声の調子と測定結果を見る方法や、電話で声の調子を確かめながら測定結果を報告させる方法です。社員には「直行の日は、出発前に【確認の方法】で連絡してください」と、手順で伝えます。安全運転管理者が不在のときは、あらかじめ指定し指導した補助者に確認させることもできます。
4事故のときは、警察への報告が先で、会社への連絡はその次
交通事故があったとき、運転者はすぐに運転を止め、けが人を救護し、道路の危険を防ぐ措置をとります。そのうえで警察官に報告しなければなりません(道路交通法第72条)。
社員には「けが人の救護と警察への連絡が先。そのあと【事故の連絡先】へ」という順番を、車内に置く連絡カードなどで伝えておきます。保険会社に誰が連絡するか、事故の報告書を誰が書くかも、会社で決めておきます。
5自分の車を仕事で使いたいと言われたら、規程に沿って答える
私有車を仕事に使うことを認めるかは、会社によって違います。認める場合は、任意保険の補償の条件、ガソリン代の精算方法、事故のときの費用の持ち方を規程で決めておきます。
認めていない会社では、「認めていません」だけで終わらせず、社用車の空きがないときにタクシーや公共交通機関を使ってよいかまで答えます。
自社の規程で確認すること
会社によって答えが変わる部分です。社員に答える前に確かめてください。
- 社用車の予約方法と、鍵の受け渡し場所
- 運転してよい人の条件(社内の運転許可など)
- アルコールチェックの方法(対面の場合、直行直帰の場合、補助者が行う場合)
- 運転日誌と酒気帯び確認の記録の付け方
- 事故やトラブルのときの社内の連絡先と、保険会社に連絡する人
- 私有車を仕事に使うことを認めるかと、その条件
- 給油、駐車場代、高速料金の精算方法
社内FAQに貼れる回答文例
【】の部分を自社の内容に書き換えて使えます。
Q. 社用車を使いたいときは、どうすればいいですか?
A. 社用車は【予約方法】で予約してください。鍵は【鍵の受け渡し場所】で受け取り、使い終わったら【返却場所】に返してください。
運転する日は、業務を始める前と終えたあとに、アルコール検知器での確認を受けてください。会社で受けるときは【確認担当者】のところへ行ってください。直行や直帰の日は【直行直帰のときの確認方法】で連絡してください。
運転日誌は【記入方法】で書いてください。事故が起きたときは、けが人の救護と警察への通報を先にし、そのあと【事故の連絡先】に連絡してください。
続けて聞かれやすいこと
自分で買ったアルコール検知器を使ってもいいですか?
検知器は、原則として会社側が用意します。個人で買った検知器を使うのは、安全運転管理者が正しく動くかを定期的に確かめるなど、会社の検知器と同じ管理をしている場合に限られます。【個人の検知器の扱い】に沿って答えます。
出張先の事業所で社用車を使うとき、確認はどうすればいいですか?
出張先の事業所にも安全運転管理者がいれば、その管理者の立ち会いで目視と検知器による確認を受けられます。結果は、社員の所属先の安全運転管理者に報告します。【出張先での確認の手順】を案内します。
前の晩にお酒を飲みました。朝から運転して大丈夫ですか?
業務の前の確認で酒気帯びがわかれば、その日は運転させません。代わりの移動手段は【手配の方法】で用意してもらいます。
答えるときに間違えやすいこと
- 直行直帰の日はアルコールチェックが要らないと答えてしまう
- 確認はしているが記録を残していない。記録は1年間の保存が必要
- 事故のときに、警察より先に会社へ連絡するよう案内してしまう
- 安全運転管理者が必要かどうかを、事業所ごとではなく会社全体の台数で判断してしまう